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源氏蛍頑張っています

夕食後恒例の「ホタル観察散歩」にでかけた。
8月10日を過ぎてまだホタルがいることにお客様達は驚いているが、私は今年のホタルの少なさに驚いている。ここ数年「ことしこそ危機だ」「いよいよ絶滅か」と書き連ねてきたこのホタル日記も、いよいよ今年で終わりになるかもしれない。
川におりたらゲンジがいた。一目で約10匹くらいと判断できる。これでこの時期「案外多い」のです。
田圃に廻ってみると1匹もいない。あれあれ??どうしたのかな?今年のヘイケはもう店じまいか?
よく「源氏が先に出て 源氏が先に滅びる」「平家は源氏より後から出てきて、源氏がいなくなった後もしばらく観察できる」と言われている。本にもそう書いてある。しかしここ小荒間のホタルはそうではない。毎年ほぼ同じ時期に滅びる。
ホタルの季節の終盤は「今日見られなかったが明日は見られる」「昨日は沢山出たが今日は数匹しかいなかった」ということがよくおこる。ホタルのそういう特性は季節を通じてよくある現象だが、特に終盤に多い。要するに蛍の出現数は毎日平均的ではなく少しずつ増えていったり減っていったりするものではなく、「その日の気温等の条件」によってまるで違ってくるということです。
明日はヘイケを見ることができるかもしれない。源氏はどうかな・・・。あと数日そんなことを繰り返して、お盆が過ぎればほぼいなくなる。まるでお盆の送り火とともにどこかへ帰っていくように・・・。
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ホタル 8月7日

今年はホタル君の出が悪いのであまり観察に気合が入らないのが自分でもわかる。困ったもんだ・・・。
が、ホタルもきまぐれだ、今晩はいたいた♪。その日によって出具合が違うのがどうもパチンコのようでままにならない。
「出ない理由」はいくらでも説明できるが、そんなことをお客様にしゃべってもむなしい。今晩のようによく出てくれると話も弾む。
「ホタルの天敵は?」という話が出たので、天敵かどうかは定かではないが、蜘蛛の巣によくひっかかって捉えられてしまうと説明した。
昆虫はよく鳥に捕食されるが、夜行性のホタルを鳥がついばんでいる姿を私は見たことがありません。それに、一般的に寿命の短い昆虫に天敵はいないと私は考えています。神様はそこまで非情ではないだろう、というのがその理由です。あたえられた数日間の命を精一杯生きなさい、というのが神様の思し召しだろうと思うのです。
木の梢高くとまっているホタルを見つけて皆大喜び。ホタルは飛ぶものだと知っていても、あんなに高く飛ぶものだとは思っていない方が多い。そこでホタルは湿った空間が大好きだというお得意の説明をする。暗くて湿った空間即ち背の高い木々が川の両側に繁っていれば、どこまでも空高く舞い上がっていきますと話す。

ホタルが地上にでてからの数日間の人生を「あるホタルの一生」として語る。ホタルにもドラマチックな一生というものがあると知ってもらいたいと思い、時々ホタルになりかわって(?)語る。聞いている方々は「ふ~ん、そんなものかねえ」と聞いているだろうが、私は実はホタル君たちに聞いてもらいたい。「よくぞ語ってくれた」と思っているか「そんなんじゃないゾ」と怒っているか、そこを知りたい・・・。

ホタルは今が最盛期

今日は大人ばかり大勢でいつものところへ。
何十年ぶりにホタルに出あったという方ばかり。
皆、幼き頃の真っ暗な田舎の夜を思い出しているようで
子供達のいるいつものホタル散歩とはちょっと趣が違う。
ホタルに特別興味はなくとも、
ふと遠い昔を思い出してそれぞれの感慨に耽っているようにも見えた。
こんな時はなにも解説は不要。

今晩は昨日よりよく出てくれた。
たった1枚の水田だが、
水田の上がキラキラと電飾のように輝いていた。
ここのヘイケは今が最盛期のようだ。
皆感激してくれた。

相変わらずゲンジもヘイケも同じ水田に棲息している・・・。
毎度書くことだが、本には「川にいるのがゲンジボタル、田にいるのがヘイケボタル」と棲み分けが書いてある。もちろん原則として正しいが、ここらあたりではもう何年も前から同じ環境で両方棲息している。呉越同舟というか、共存共栄というか、環境の激変でそうせざるを得なかったのだろうと思う。
今日は一面のヘイケボタルの中で1匹だけ特別な輝きを発するゲンジが田の中で威厳を保っていた。が、多分いくらがんばってもヘイケとゲンジは交尾できないだろうから(未確認)彼の前途は暗い。

ところで今年はゲンジの出現数が少ない。
川の環境が年々悪化しているのだろうか。

ヘイケが激減しているのは減反と側溝のコンクリート化で理由が分かるが、ゲンジの激減の理由は難しい。川の汚染は無い(ハズだ)し・・・。考えられることは草刈か。この地区は川の草刈を夏前に村人総出で行なう。刈った草は刈りっぱなしで、河原や水面を覆いつくす。水から上がって成虫になるホタルに良い訳がない。

ホタル観察散歩

ひさびさにちょっとムシムシする雨の降らない夜となった。ご無沙汰していたホタル観察散歩に出発。我が家前から歩き始めて約2~30分のいつもの周遊コース。
河原におりたとたん2匹発見。皆の前に近寄ってきてくれた。手が届きそうになって誰かが腕をのばすとツイ~と空高く舞い上がって星になった。相変わらずホタルは下から見上げるとカッコイイ。ホントに星になるからスゴイ。ホタルはお尻が光ると思われているが実は腹が光るのです。なので、下から見上げたホタルは一層明るくキレイ。
次にいつもの田圃へ。そこへは真っ暗な森の中を通っていく。子供達は「お化けなんかないぞ、お化けなんかウソだ」という歌を大声で歌いながら恐る恐る歩く。お母さんも「ホント真っ暗ですね、足下が見えない」と怖がっている。「この道は大丈夫です。側溝もないし、全部アスファルトですから」と説明すると「いや・・カエルが・・・」と言って足をすくめる。「お化けは良いんですが、カエルが絶対ダメなんです」「カエルなんかふんじゃったら絶対失神しますから」とおっしゃる。ガハハ、大人も子供もそれぞれに弱いものがある田舎の暗い夜。楽しいじゃありませんか。
田圃についた。ここは昨年すぐそばに家が建ってしまって、その影響か今年はだいぶ数が減った。私達が到着してザワめいていたらその家のご主人らしきヒトが出てきて、しばらくコチラの様子を見ていたが、ホタル見物だと分かると家の中に戻って明りを消してくださった。感謝。夏は頻繁に私達が見学に行くことになるのでちょっとご迷惑かもしれない。かといってあまりそ~っと行くのもかえって怪しいご一行様のように思われてしまう、ま、普通に行きましょう。それにしてもここのご主人も隣の田圃にまさかホタルが出るなんて、知らなかったのじゃないだろうか。
今晩のホタルはあまり飛立ってくれなかったが、数は30匹程度。田の遠くの方で静かに自己主張しているものあり、わずかに稲の上空すれすれを漂っているものあり、木の梢高くベツレヘムの星の如く点滅しているのもありで、変化に富んだ条件で見ることが出来て皆満足だった。ホタルよ今夜もありがとう。

子供の視点

ずっと続いた梅雨と台風の影響で最近ちっともホタル観察ができていなかった。
今日は最初家の前のコースで「ホタル観察散歩」を楽しんだが、
きれいだったのは夜景と星空だけで、ホタルは数匹しかいなかった。
くやしいので車に乗ってオオムラサキセンターへ出撃。
正面に甲府盆地の夜景をみながら車を走らせる。爽快♪
ひさびさに星もきれい。
わくわくしながらセンターに到着して、ゆっくりと歩き始める。
あれ?あんまりいないぞ・・・。
水生昆虫の沼まで下りる、あれ?あんまりいないぞ
吊橋を渡ってゲンジを見にいく、あれ?あんまりいないぞ??
う~むむ、まぁ何匹かいることはいるが、期待していたほどではない。
ま、こういうこともあるサと引き返して水生昆虫の沼にきたら
お~~~いたいたいた!!
しっかりいるではありませんか♪
ちょっとした時間の差でこんなに見えるなんて♪
これだからホタル見学は何年やっても難しいし楽しい。
水面から顔を出している草の上にとまって光っている。
ときおり低く飛ぶので水面に映る光がまるでてダイヤモンドのかけらのようにキラキラと光る
かなりの数のヘイケが一斉にわらわらと光りだした。
キラ星の如くとはこういうことをいうのだろうなあ。
驕る平家よ久しくあれと願ってしばらくたたずんでいた。
で、
長年ホタル散歩をやっていて、やっと今日気がついたことがある。
子供の視点と大人の視点はまるで違うのだった。
あ~なんでもっと早く気がついてあげなかったのだろう。
大人は水面を上から見下ろすからホタルも上から見ることになる。
かなり広い面積に目を配れる。
ところが子供は草や稲と同じ目線になってしまう場合がある。
そうすると奥にいるホタルは見えないのだった。
目の前のホタルと目の前の叢しか見えない。
地形や立地によって微妙に視点が変わるので、大人はいつも
子供の視点で眺めてみることが必要だった・・・。
ホタルがあまり高く飛び上がってくれない夜は
特に気をつける必要がある。肝に銘じましょう。

ところで星があんまりキレイだったので子供に白鳥座を教えようとしたら
「ボク興味ないモン」と即座に言われた
あ~そうか、そうだようなあ、星がキレイだなんて一体
ヒトは何歳くらいになったらそう思うのだろうか。
永遠にそんなこと感じないヒトもいるだろうし・・・。
宇宙や星に興味や知識がある子供は多いが、気のせいか「夜空を見上げる子供」は多くない。図鑑やHPで見る星や宇宙は好きなのだろうが、実際に夜空を見上げて星のウツクシサに感激する子は少ない。
もっとも子供に星空の美しさがわかってたまるか、とも思う。あれはもっといろいろなことを知ってからじゃないとネ(根拠はありませんが)、なんて思う。
私自身も子供の頃星になんてまるっきり興味なかったし・・・。
星を見る子供の視点を理解するというのは難しいなあ・・・。
ふと思ったが、子供向けプラネタリウムの番組というのは実に退屈。あれって子供達は喜んでみているのだろうか???

ホタルを外人に説明?

昨晩オオムラサキセンターに蛍見物にでかけたら、センターの人がどこかの国の大使ご一行様をゾロゾロ連れて案内していた。
自国にホタルはいないのだろうか。
通訳がいたようだが、源氏と平家の意味まで説明するのだろうか、是非して欲しいが、きっとチンプンカンプンだろうなあ。

もし私が外人をガイドするとしたら何を説明するかと考えると面白い。
関東と関西で違う発光の間隔の説明も、そもそも相手が「関東と関西」という概念を持っていない外人だったらどうするか?
「かがり火も蛍も光る源氏かな」という例の歌の通訳はちゃんとできるだろうか?
「星垂れる」の語源説だって難しいゾ。
「蛍は源氏より平家の方が長く生き延びるのです」だの
「当地の蛍はお盆の頃までいて、終わる頃向こうへ一緒に帰るようです」というような説明はきっとまどろっこしくなるだろうなあ。
生物学的なことは一杯喋れるが、学校の授業じゃあるまいし、そんなことしゃべっても面白くない。いや、外人はそういうことの方に興味を持つのかも、なんてアレコレ思う・・・。
日本人は程度の差こそあれ、蛍にモノノアワレを感じ(ようとし)ている。外人はどうなのだろうか?我々がホタルイカやデンキウナギに特別な情緒を感じないと同様に彼らも特別な情緒は湧かないのだろうか。

てなことを書きながら思ったが、やっぱり日本人は特別なんじゃないか? 世界中でバードウオッチングは行なわれているが、昆虫ウオッチングなんてする人種は日本人以外にいるのだろうか?「蛍と日本人」という売れそうもない本を誰か書いていそうな気がするし。「夕涼み」「蛍狩り」なんていう言葉があり、文化がある。
やっぱりコレは外人にしっかり伝えたいところだなあ・・・。