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天体の運行とチーズの穴の関係

本日一日書類の整理に追われてあちこちひっくり返していたら、だいぶ前に友人から貰った記事のコピーが出てきた。こういう時に限って「読みたくなる記事」だったので、やるべきことはちょっと置いといて、記事を読んだ。

まず目に飛び込んできた文字は「ホタルは旧暦3日前後に発光飛翔する」というものです!?。ここでいう3日とは旧暦5月3日だから来年で言うと新暦6月14日にあたり、平地ならまさしくホタルの最盛期にあたります。彼(著者)は去年それを発見し、今年も果たして、そうだったというのです。新月(旧暦5月1日)にホタルの発光飛翔がはじまり、3日月の日をピークに、上弦過ぎまで飛翔が続くことを確認したそうです。
これは自分の一大発見と思っていたある日ある唱歌と出あって愕然とするのです。

それは文部省唱歌「蛍」です。
「ほ~、ほ~ ほたるこい」ではありません。
もう一つの方の
「蛍の宿は川ばたやなぎ、やなぎおぼろに夕闇寄せて
 川のメダカが夢見る頃は、ほ、ほ、ホタルが灯をともす」
というヤツですが、今思わず歌っちゃった人は 多分50代以上でしょうか(^_^;)
2番の歌詞にご注目
「川風そよぐ、やなぎもそよぐ、そよぐやなぎに 蛍がゆれて
 山の三日月隠れる頃は、ほ、ほ、ホタルが飛んで出る」
というのです。
三日月が隠れる頃というと19:30頃でしょうか・・・。 確かにその頃ホタルが飛んで出るというのはホタルの生態的にもあっています。とすると、このことを昔の人は皆知っていたというのだろうか?

著者は「天体の活動が生物の体内物質の変化を誘導している」とお考えの方です。
例えば、朝陽のエネルギーの強さが変化するリズムにしたがって、細胞中の酸素や酵素や微生物の活性が微妙に変化して、体内時計というものが動いている、というのです。人間も朝はカーテンを思い切り開けて朝陽を浴びれば、体内時計がリセットされてスッキリとした一日が開始されるのだそうです。
ま、そこまではいいのですが、彼の理論は思わぬ方向に展開されます。
彼はチーズ職人なのですが、なんと、ホタルの発光飛翔のタイミングと、穴あきチーズの穴が作られるリズムが、どうも似ている、というのです???

ホタルは、体内成分のルシフェラーゼという酵素とルシフェリンと酸素を反応させて発光するのですが、彼はこれを「醗酵して発光する蛍」と呼んでいます。
一方、彼の作る穴あきチーズは、醗酵菌が発生させる炭酸ガスにより大きな気泡が作られてチーズに穴が開くという生成過程なのですが、どうも三日月の日をピークにホタルが光って飛翔する数日間にあわせるかのように、自分のチーズが心持ちふくらむのだそうであります!?

月の満ち欠けによる微妙なエネルギーの変化を読み取って、酵素などが自ら反応したとしか思えません。
彼は自分の作るチーズに「月の贈りもの」という名前をつけて販売したところ、かなりファンがついたそうです。
なかなか興味深い記事でした。来年のホタル観察がはやくも楽しみになってしまった。

日本人が月の暦の文化を手放してしまったことの重大性を嘆いて文章は終わっています。
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ホタル探検隊

ヘイケボタル3匹発見♪
皆、よく飛んでくれた。
最後のご奉公か、有難う。
「生まれて初めて見ました」と感激してくださる方がいらっしゃるので
そういう方々の為にもホタルを増やす運動をすべきかなあと
心がゆらぐ・・・・。

「ホタルの光」と「カエルの合唱」

本日の「ホタル観賞散歩」でなかなか不思議なことがありました。
何度も書いているように、当館周辺のホタルは絶滅寸前で、30分見学して10匹も見つけられれば「よく出た晩」と感謝すべき状況なのですが、今晩はまさにそういう日でした。10匹「も」出てくれたのです。お客様とホタルを探し探し歩いて1枚の田圃の前まで来たとき、1匹のホタルと遭遇。みなで「お~光った光った」と歓声をあげたとたん、田圃のカエルが「ガァガァ」と鳴き始めたのです。そのホタルはすぐどこかへ消えていってしまって、あたりはまたシーンとなったのですが、、やがてまたどこからともなくホタルが出現。「あ、ホタルだ」と皆口々に言い出すと、また、カエルがグワァグワァと鳴き始めました。その後もそんなことが何度も重なったのです。
カエルの習性をご存知の方なら「カエルは人の声や気配に敏感で、すぐ鳴き止む」ことをご存知でしょう。今晩は逆に、我々の「ホタルだぁ」とはしゃぐ声に反応してすぐに鳴き始めるのです。これはホタル観賞暦10年の私にとって初めての不思議なことでした。なので、今晩のカエルたちは、私たちの声に反応したのではなく、ホタルの光に反応して鳴いた(つまり、彼らもホタルの光を見て喜んで騒いだ)のに違いないと皆で言い合ったのでした。
カエルもホタルの光るのを見て喜ぶくらいホタルは希少生物になってしまったのだということで衆議一決。「ホタルだぁ」「ゲロゲロ」「光ったぁ」「ケロケロ」と楽しくも不思議な偶然が10回ほど続きました。カエルは元気だなぁ・・・。もっとも、そのカエルだっていつまで田圃の王者でいられるか分かりません。近頃めっきり少なくなりました。今晩の「カエルの合唱」と「ホタルの光」の共演は「田圃からカエルとホタルが消える日も近い」ということを暗示した一幕だったのかもしれません。
帰り道、1匹のホタルが我々を道案内するように前へ前へと低く飛んでいきました。これはホタル鑑賞会ではよくあることで、大変楽しいひと時なのですが、今晩に限っては私はなんとなく不思議で、つい子供に「ついていくと、何処につれられて行くかわからないよ」と、ちょっとおどろおどろしいことを言ってしまいました。
少し前の読売新聞にこんなことが書いてあったのを思い出したからです。
「ほ、ほ、ほたるこい、あっちの水はにがいぞ、こっちの水はあまいぞ」とうたわれるホタルは魂の象徴で、あの世からこの世へ帰ってこい、と歌っているのである・・・。
なんてね、書くのですよ、天下の大新聞が。うれしいじゃアリマセンカ、わが意を得たりです。今晩のホタルの水先案内は、この世からあの世へ行こうとする逆ホタルだと私はとっさに思い、子供に「ついていくんじゃないよ」と言ったのでした。
と、いう
たわいのない30分間でしたが
人工衛星もみえたし アークトゥールスもオレンジに輝いて美しかったし、良い夏の宵でした。
ホタルよ今夜もありがとう。

ホタルのひとよ

甲府の方から電話があって「ホタルを見たい」とおっしゃる。わざわざ長坂まで来なくとも(韮崎あたりで)見られるはずなんですが、情報を持っていなければ仕方がない。また、ホタルエリアから情報UPがなされていなければ見つからない。長坂は山梨県内に沢山あるホタルエリアの一つに過ぎないのですが、たまたま私が長坂ホタル情報をUPしているので、検索にひっかかり、遠路(?)はるばる見に来られたというワケです。う~む、やっぱり情報はUPしておくべきものだなあとあらためて実感。ここのところサボリ気味だったので反省。
で、本日は19:30から21:30まで2時間のホタルタイムをたっぷり楽しみました。このくらいじっくり見ると個々のホタルの人生(?)から、種としてのホタルの運命まで観賞と推察が行き届く。といっても勝手な推論をお互いしゃべくりあっているだけなんですけどね。これが楽しいんです。
最初にでかけたのはヒミツの河川。1時間誰とも出会わず、車も来ない。ゲンジを見ながら散策を楽しんだ後、岸壁にすわって持参のティーとクッキーでお茶たいむ。静かなひと時だった。背中に広がる田圃からカエルの声が。これがまたいい。後半はいつものホタル公園へ。ここは家族連れやカップルが三々五々出入りしてそこそこ賑やかだ。常に人がいるので女性一人で見に来られても安心安全。両方をケースバイケースで使い分けると良い。ここでも石垣に座って1時間たっぷりすごす。ホタル観賞の技と心得(なんて大げさなものではありませんが^_^;)を前半で伝授してあるので、ここでは各自じっくりホタルの動きと光を追っている。自分で物語を作りながら見ていると飽きない。群れて叢に停まっている時は星座に見立ててあそぶ。スバルも北斗七星も出現する。ときおり川面の一部が円くボワっと明るくなる。これは、川面すれすれに飛翔するホタルの明りが川面に反射しているのです。水草が川面に覆いかぶさるように生茂っている場所はホタルの隠れ家のようでいて、実は危険地帯。クモが巣を張ってエモノを待ち伏せしているのです。案の定、低空飛行中の一匹のホタルが空中で急停車したかと思うとその場所でゆらゆら揺れだした。クモの巣に捕まったのだ。可哀相だが仕方がない。クモだって何かを食べなくちゃ。ホタルは空中に飛び出してから1週間ほどの寿命だというが、そんな短い命でさえ全うできないで捕食されてしまうホタルもいるのです。アーメン。
今晩はホタル同士の会話「フラッシュ発光」も確認できて、大満足の2時間となりました。

ホタルとサソリ

夏至の夜。
ホタルは標高800mくらいまで来ているだろうか。
当館周囲は標高1000mなので、再来週くらいから本格的に出現予定かと思われます。
今日は「ホタル公園」に出かけた。なかなか良かった。本日ご案内したご家族で70代と思われるお祖母ちゃんは「生まれて初めて見ました」と大感激されていた。代々新宿生まれの新宿育ちだから子供時代に「田舎」というところに行ったことがないのだとか。
小学低学年の女の子はホタルを怖がった。せっかくホタルの方から近寄ってきてくれたのに「怖い」と言ってしゃがんでしまった。それでも周囲の大人が川面に座り込んで楽しそうに懐かしそうにホタルを見ているので次第に落ち着き、自身も川面に座ってホタルを見つめ始めた。たまたま学校でホタルの勉強をしたとかで、習ったことを喋りはじめた。よかったよかった。
しかしなんですなぁ、学校で習うことってのは、大事なことなんだがつまらないですなぁ。女の子は一生懸命覚えたことの幾つかを披露してくれているが、目の前のホタルを見てそこから見つかる「疑問」や様々な「思い」などには関心がなさそうだった。ま、でもこの女の子は習ったことをよく覚えていてホタルが「土繭」を作ることまで喋った。お~、そこまで教えたのか、それは素晴らしい。私が「地面を掘れば土繭が見つかるかもね」と言って掘るマネをしたら「気持ち悪い」といって逃げようとした。女の子だからしょうがないね。
「ホタルは卵を産むと死んでしまうんだよ、卵は地中で成長し、1年後にホタルとして外に飛び出るが、そこにはお父さんもお母さんもいないんだ、自分で生きていくしかないんだよ」と語ると何か不安になったのかお母さんにしっかり抱きついてジっとホタルを見つめ始めた。

霧のよく出た晩だったが、22:00頃帰ってきたら南の方の空が開き、そこだけ降るような星空。サソリ座が尻尾までクッキリと見えていた。大きいなぁ、サソリ座って。出始めの北斗七星も大きいが、今は北西の空に上がって「普通の大きさ」にしか見えない。サソリ座の方が断然大きい。
月も太陽も地平に近い時は大きく見えるが、星座もそうなのです。不思議ですね~・・・。
そういえばサソリ座の出初めを私は見たことが無い。今年の課題としようかな。空一杯に拡げたサソリのあの鎌のような前足は一体どのように地平から現われるのか? 見てみた~イ♪の夏きたる。

で、今日の一句
「蛍闇 母に抱きつく 夏は来ぬ」

ホタルカフェ

本日昨年教えてもらったホタル川に出かけてみた。お~いるいる♪ 昨年は教えてもらった時期が遅かったのであまり確認できなかったが、今日は丁度良いタイミングだったようだ。といっても群舞乱舞しているわけではありませんので「そのスジ」の方々、あわてて来ないように(^_^;)。 しかし、少なくとも我家前の川よりは断然よく出ている。我家からは車で10分ほどかかるが、お薦めだ。
ここが観賞地として良いと思われるのは、1)ホタル観賞可能エリアが川沿いなので広く長い。2)足下は舗装なので夜でも危険ではない。3)まずほとんど車が通らない、人も通らない。静かに観賞できる。
ここ以外に、我家から車で10分前後の所にはビオトープ公園もあり、ホタル公園もあり、オオムラサキ公園もあって、もしかしたら数はそちらの方が多いかもしれないが、近年知られてきたため人出が多い。ゆっくり観賞できません。そこへ行くとこの「ホタル川(仮称)」は、ほとんど「プライベートホタル」といいますか「マイホタル」状態です。
本日川沿いに歩きながらナイスなアイデアが浮かびました。私の車にお茶とお菓子、酒にツマミなどを積んでお客様を現地にご案内する。私は川沿いの適当な個所で「移動カフェ」を開く。お客様は思い思いに飲み物などを手にしながら好きな川べりに座ってしばし「プライベートホタルの夕べ」を楽しむ。う~んいいかもしれない(*^^)v
と一人合点をしながら戻ってきました♪
帰り道、思い出して、あるホントのカフェに立ち寄ってみました。今日は定休日だったですが、確かこのカフェはシーズン中はテラス席からホタルが見えると聞いた。正真正銘「ホタルカフェ」だ。明日確認してみよう。もしそうなら、わざわざ私が移動カフェなど開かなくてもここにつれてきたほうが良いんじゃないの?? 
子供がいるときは移動カフェにしてしっかり川沿いを歩かせ、大人だけのときはホントのカフェに案内してテラスからホタル観賞をしていただこうか・・・、などなど、ただ今夏のホタル戦略(?)を考え中。
皆様、当地でのホタル最盛期は今から7月末までです。その後数はガクンと減りますが8月10日頃までは残党にあうことが出来ます。