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夜更けに

ペンションをやめると決めて数週間か数か月たった。いつ「やめる」と決めたかが思いだせないのでこんな書き出しだ^_^; いま住んでいる自宅兼ペンションをすっかり壊して、そこにあたらしく二人がすむ小さな家をたてて住む。このことは決まっている。もうすでに意中の建築屋さんと相談中で、幾つかの家を見させてもらっているし、わが家の新しい家の間取りについても話あっている。
私自身ものすごくワクワクしているし、なによりかみさんがとてもいきいきしている。間取りについてあ~でもないこ~でもないとなにやら紙に書いては喜んでいる。25年間のペンション生活はほとんど私のやりたい放題で、かみさんにはそうとう迷惑をかけてしまった、ので、今度の家は全面的にかみさんの好きにしてほしいと願っている。それに多分私の方が先に死ぬ。しかもかみさんは私より10歳年下だ。今度の家ではかみさんが主人公でなくてはいけない理由がそこにもある。
振り返ってみると、10歳で大病を患い、大学は浪人したあげく中退し、25歳でアメリカ大陸自転車横断、35歳で結婚し、40歳でペンションを開業。とまぁ、どこにでもありそうな、可もなく不可もない人生を送ってきた。しかしもし人生に絶頂期というのがあるとするなら、ペンションの25年間がそうだろう。絶頂期というのは栄華という意味ではなく、好きなことを自由にやれた、という意味にすぎないが。そして今65歳。そろそろその絶頂期をかみさんにゆずろう。かみさんはまだ55歳だからね、なんでもできる。もっとも私だってまだ65なので何でもできる。このくらい体力的にも精神的にも余力があるうちに最後の(多分)ステージに移行することは、我ながらいい判断だと思う(ことにする^_^;)。
人生の後半生(もしかしたら終盤戦?)もかなりの楽しさが待っている気がして仕方なく、家のこととは別にワクワクしていることだらけなのだが、さすがにペンションをやめるという区切りは、自分でつけたにもかかわらず、一抹の寂しさがあって、(まだ1年近くは営業しているかもしれないのに)今から、建物のあちこちをさすってはありがとうありがとうと言っている。建物が壊される時に一体私にどのような感情が湧きあがってくるのだろうか。今の八ヶ岳での私の人生を楽しくしてくれたのは間違いなく「ペンション ペアハット」なのだから。
歴史上の偉人はほとんど65歳をむかえず亡くなっている。偉人でなくとも65前に亡くなっている。医学などの発達で今を生きる私は80を越えて生き延びることになるのかもしれないが、80としたって後15年ではないか(#^.^#) 平均寿命は80だが健康寿命は75だというニュースがあった。え、じゃ後10年じゃないか(^_^)v ガハハ、昔だったらとても楽しめない65を過ぎての人生を私たちは与えられているとおもえばその10年は有難い。「与えられている」ことに気がつくと、人生は少し違う意味になる。私のこれからは「余生」ではなく「与生」なのだ。これを肝に銘じてどう人生を楽しむか。またもや楽しく解決していかなければならない人生の課題をいただいて、さぁ、サッサとペンションを廃業しなくっちゃ♪
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