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花火大会考

自然大好きというお客様がいらっしゃったので、バードウオッチングとカヤックを楽しんだ。スノーシューも持っているということだった。時間が取れるとショッピングなどより、ついつい八ヶ岳などの自然の方に足が向いてしまうとおっしゃる。根っから「自然」が好きなのだ。
ワインを飲みながら星の話やウオーキングの話などもしていると、突然「あの花火大会はなんですか?」と問われた。当館のパンフレット置き場においてある花火大会のチラシを指してのことだ。それは「まきばの冬花火」と題して数年前から行なわれているイベントで「標高1400mの高原から打ち上げる花火は高度2000m近くに達し、これは日本一の花火大会だ」というのがキャッチフレーズである。冬枯れの観光シーズンに文字通り「花火を打ち上げて」活性化させようという催しだが、色々な事情から観光業者の間でも賛否両論があがっている。
隅田川の花火と違って、ここは自然の真っ只中である。森の中には動物達も棲息している。落下する花火で火災の危険も大きい。この花火大会ではないが、ある観光地の花火大会では花火の音に驚いて卵を産まなくなってしまった養鶏場もあったということだ。
まぁ、他の花火大会はともかくとして、少なくともここ八ヶ岳の標高1400mの自然の真っ只中で花火を打ち上げることが良いのかどうか、動物や環境等に対する影響はどうなっているのかなど、検討する必要はあるだろう(イベント開始前に調査検討したのだろうか?)。
「自然大好き」な人の素朴な「あの花火大会はなんですか」という一言に私はちょっとウロタエタ。「しまったチラシなど置いておかなければ良かった」というウロタエであり、「何であんなイベントを宣伝してしまったのだろう」というウロタエでもあった。当館HPのトップページでもリンクして宣伝している。こういうイベントの情報も必要な人がいるだろうと思ってリンクしたのだが、自然大好きで自然遊びをウリとする宿を経営している私としては、宣伝をする必要の無いイベントだったのかもしれない、とウロタエタのだった。
たしかに厳密に考えると難しい。「じゃ、あのイベントはどうなのか、このイベントはどうなのか」と考え始めるとキリがない。そもそも人の活動のほとんど全ては自然に負荷を強いるものだ。それじゃ何も出来ない。「どこで線を引くか」でその人の自然に対する接し方や考え方が試される。
私はこの花火大会の経済効果には前から疑問を感じていたので「音なしの構え」でいた。すなはち「積極的に応援もしないが大会の足を引っ張ることもしない」というスタンスだ。実は私は昨年もこの大会の役員を命じられていた。端役だが一応自分の名前が役員一覧に載っている。が、これは私の意志と関係のないところで決められていたので無視することに決め、運営には一切タッチしないでいた。そのことについて執行部からは特に何も言ってこなかった。今年もそのスタンスでいくつもりである。その代わり大会の足を引っ張るようなこともしない、すなはち「忍法・音なしの構え」である。誰も皆観光活性を考えてあれこれ必死なのである。試行錯誤があるのも充分承知。私自身も様々なイベントを主催して色々試行錯誤をしている。主催者の思いは充分分かるのだ。なので、特に強く反対の意思を表明もしていなかった。
・・・が、やっぱりここでもう一度よく考えてみることにした。「自然に対してどうなのか?」という素朴な疑問に答えられなかったからだ。少なくとも自分自身に納得のいく解答が見つかるまでHPからリンクは外しておくこととしよう。この大会の会場近くにはキープ協会がある。彼らは一体この花火大会についてどういう見解を持っているのだろうか。「自然環境」をウリにしていない都会や観光地ならともかく、「環境教育」をウリにしているキープ協会のあるお膝元での花火大会である。ここは徹底的に検証して戴きたいものだ。もし自然に対して何の負荷も無いと分かれば、HPのリンクくらいは復活させよう。しかし「経済効果」や「運営方法」などに疑問が残ればやはり「反対」するしかない。補助金(税金)を一瞬で花火に変えてもし経済的効果もないと分かればそれは「無駄」としか言いようがないだろう。
一宿泊客に「あの花火大会はなんですか?」と疑問を呈されるようなイベントはやはり八ヶ岳にはちょっと「不自然」なイベントなのかもしれない、と感じたのだった。
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