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蛍 おぼえがき。

長坂町ホタル見学会を一週間やりはじめたら毎日雨ばかり^_^; 今年は空梅雨で動植物たちも困っているだろうなあと思ってはいましたが、イザ蛍観察週間が始まったら毎夜の雨(-_-;) いくら水好きの蛍君とはいえ、雨では羽も濡れるし視界も悪いので、飛び回りません。観察会は毎晩キャンセルか中止の連続。これには人間様が困っております。まぁしかたないね、これも自然。
そんななか、昨晩は雨をついて4名の参加者さんがきてくれました。歩いての観察はできませんが、せっかくなのでオオムラサキセンター内でホタルに関するスライド上映会を楽しんでいただきました。私も久しぶりに観覧。実は十年以上続けてきた私個人の「蛍観察日記」もここ数年サボッテいましたので、蛍に関するあらゆることが頭から抜け去っておりました。ので、勉強勉強。スライドを見ながら、あ~そうだった、へ~そうだったのか、の連続でやっぱり蛍って素晴らしい♪
昨日の上映会で習ってきたことを自身の覚えとしてここに書いておきます。今度私の「ホタル観察会」に参加する方はだいたい以下のようなことを私がしゃべりますので、皆さん、先回りして喋らないでね。何を聞いても「へ~、そうなんですか」と感動したフリをしてくださるのが参加者としての心構えというものです(*^^)v

・蛍は世界で2000種 日本に45種存在している

・その中で、水性の蛍はわずかに3種 
 ゲンジボタル ヘイケボタル、クメジマボタル

・しかも光る蛍は4種しかいない 上記3種とヒメボタル
 ※幼虫時殆んど全ての蛍は光りますが、
 成虫になっても光っているのは上記4種です。

・蛍の9割以上が「光らず陸性」なので、
 日本人が通常見ている蛍は世界的に大変貴重であります。

・清里には陸性のヒメボタルがいます。
 夜の観察会などでお馴染みですが最近激減していますね。
 清里にはオバボタルやクロマドボタルもいますが、それらは光りません。

・幼虫時ゲンジボタルは主にカワニナ、
 ヘイケボタルは主にタニシといった貝をエサにして育ちます。

・成虫になると「露」しか吸いません。
 叢の葉っぱの上に溜まった露が成虫の食事です。
 ※蛍の出るエリアは、その季節の草刈りはしないい方がよいですね。

・陸性の蛍もキセルガイ、カタツムリ、といった貝を食べています。
 陸にも貝は沢山存在します。

・発光する蛍達にとって「光るのは言葉」です。
 「私と結婚しましょう」という合図です。
 したがって光る蛍は目が発達しています(光を見なければいけませんから)

・成虫になって光らない世界中のほとんどの蛍は、
 フェロモン(臭い)で会話をします。
 したがって目は退化し、触覚が発達します(触角は鼻の役割をします)

・進化論的には、光る蛍が原始的で光らない蛍が進化形です。

・「蛍は明らかに自らの意思で光りをコントロールしている」(矢島稔)
  顕著なのがフラッシュ発光。気に入ったメスがいると一瞬強く発光します。
  約2分フラッシュ発光を続けその間にメスからのフラシュ発光(好意的な返事)
  が無ければ、オスは寂しくその場を離れます。

・光る仕組み
 蛍の体内にはルシフェリンという光る物質と
ルシフェラーゼという光らせる酵素があります。それに
 酸素やリンなどの化学物質が常温で酸化反応をおこす為だと言われています。
 この仕組みは、発光するが熱を出さないというすぐれた仕組みです。
 この仕組みを応用し、TDLなどで「光る棒」のような玩具が売られたりしていますね。

・オスメス両方飛翔しますが体内時計によって、 
 日没後約30分から活発に飛翔し20時頃が最も活発に動き回るようになっています。
 この時飛翔するのは主にオスで、
メスは川面を低空飛行又は草の上に停止し、オスの訪れを待っています。
 この活動は21:00頃に終焉しますが
 夜中の2時頃再び蛍達は乱舞し始めます。この時は雌雄両方が高く飛翔します。
 20:00の飛翔時にオスに巡り合わなかったメスが、
 今度は積極的にオス探しの行動に出るのではないかと考えられています。

・蛍の成虫になってからの寿命は平均1週間ですが
無事に交尾が成就すると、オスは死んでしまいます。なので
 1週間も生存しない運がいいのか悪いのか分からないオスが多いです^_^;

・メスは産卵という一大事があるので、オスの死後二日後くらいに死にます。

・葉っぱの上に産卵され、水中に落ちて幼虫となり、陸に戻って土の中で蛹になり、成虫となって空中に飛翔する。蛍は水陸空と自在に生息場所を変えてきました。今、蛍が各地で激減しているのは、水も汚れ、土もコンクリートとなり、空も明るくなりすぎた証左です。蛍を守るには、幼虫を育成したり、カワニナを放したりすることではなく、水陸空の環境を自然に戻すことが肝要です。

・私たちもできる事から始めましょう
※以前私が書いた記事を貼り付けておきます。
【あなただけにそっと教えるホタル絶滅への幾つかの方法】
・ホタルを見つけたら捕まえて持って帰ろう。
・ホタルのいそうな川筋などに街灯や照明を沢山つけよう。
・ジュ-スの自動販売機をあちこちに設置しよう。
・川の岸や底をコンクリ-トで固めよう。
・小さな水路はU字溝にしよう。
・川の両岸の木や林は伐採してしまおう。
・川にはなるべく生活排水を流しましょう。
・減反政策を推進しよう。
・田畑には農薬を沢山使おう。
・6月頃地域で一斉に川の草刈りをしよう。
・他地域のホタルを大量に捕獲してオラが地域に放しましょう。

以上です。
今年も全国で沢山の蛍が見られるといいですね。
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