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墓参り

半年ほど前に手相見から「お墓参りには行ってくださいね」「警告でてますよ」と告げられ、その後すぐ行ったが、お彼岸に行くのは初めてだ。墓参りは行こうと思った時に行けばいいのだろうが、やっぱり彼岸に行くとなんだか気分も引き締まるね。保土谷の駅を下りて父の実家、祖母の家の方に向かって歩き始めると、やがて家のあった高台が見えてくる。昔の家はとうになくなっていて、今風の家になっているが、下から見上げた時の印象は、その高台は家など一軒も見えない鬱蒼たる森だったと記憶にあるのだが、樹々がかなり切り払われて、やけに寒々しい風景になっていた。高台に登るための階段も、いつからか綺麗になっていて、ここも昔は周囲は雑然とした崖に木々が生えていて、子供のころに感じた独特の「異界へ入っていく」ような感じだったのが無くなっていて残念と言えば残念。
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法事や何かで来ているので、特別に久しぶりという訳ではないが、意識してお彼岸に墓参りに行こうと思って一人で来たのはたぶん初めてか? あ~そうだ、大人になってからはいつも車で来ていたからだ。今日のように電車で来て道を歩いて墓参りになんて、これは本当に久しぶりだ。だからなんとなく子供のころを思い出したのだね。せっかくなのでその頃のことを思い出しながら道を歩いた。
墓のまわりも、どことなく綺麗になっているのは、お彼岸だからと寺の住職さんたちが一生懸命きれいにしたのかもしれない。
墓参りをすませ駅に向かって歩いていると、どことなく懐かしい店構えの一軒が目に留まった。子供のころ祖母の家に遊びに行った時の楽しみは途中の店で買ってもらうコロッケだった。確かこの写真のような窓口しかない店で、客はその窓から注文し、コロッケはその窓からオバチャンが手渡ししてくれるのだった。
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お客さんが切れたあたりを見計らって、窓口に行き、「この店は50~60年くらい前からありましたか?」と唐突な質問をしてみた。中では40代と50代と思しき女性が二名いて、年上の女性の方が、「ここは30年くらいしか経っていませんですけどね~」という。私は「今日墓参りに久しぶりに来て、50~60年前の頃を思い出したのです、確かこのあたりでコロッケを売っていた店があったなあと思い出したもので」、と事情を話したら、それならもうちょっと向こうの今郵便局になっているところのコロッケ屋さんじゃないかしら、と丁寧に教えてくれた。え、まだあるのか!と驚いていると「今は郵便局になっているからお店はありませんよ」と店の奥さんは言った。いやしかし嬉しい、その跡でもちょっと見て感じたいものだと思ったら涙が出てきた。が、これは懐かしさのゆえの涙ではなく、花粉症による涙で、丁度タイミングよくここで出てきたので、店の奥さんは、「懐かしいでしょうねぇ、いいお墓参りですね~」と私に調子を合わせてくださったが、残念ながらというか、この涙は本当に花粉症由来のもので、私はこの程度のことでは涙など流さないのです。しかし、せっかく人のいいオバサンがなんとなくこの初老の男性の思い出話に付き合ってくれて向こうも感激してくださっているようなので、こちらも話を合わせ、「いや~ありがとうございました。墓前でいい報告ができます」と礼を言ってその場を離れた。
そしてその郵便局に行ってみたが、
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周囲の道路やその他の雰囲気がどうも違う。ここは私が好きだったコロッケ屋ではないと感じしばらく記憶をたどってみたら、分かった。コロッケ屋は、駅の反対側の出口からぐるっと回って祖母の家に行く道の途中にあったのだった。そこまで思い出したので、今日は満足。次の機会にそのコロッケ屋に行ってみよう。
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