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ヨコグチの宇宙人

或る雑誌を読んでいたら「形態の生命誌・第四回」という記事があって、今回のタイトルは「考える口」。難しそうなタイトルだけど冒頭から「そうそう」と深く頷ける書き出しで思わず引きこまれた。著者は「仮面ライダー世代」らしく何故か突然この異形のヒーローについて書きはじめる。で、仮面ライダーには何かずっと違和感があったとおっしゃる。生物学者となった現在、それが何かようやく分かってきた、つまり、トノサマバッタの脚力や感覚を移植した改造人間であるこのヒーローの「口」が問題で、そこに「違和感」があったのです・・・。即ち、仮面ライダーの口は横に切れていて上下に開くいわゆる「ヨコグチ」で、これがどうにも人間っぽく、ちっともバッタらしくない。バッタの口は縦に切れていて、左右に開く「タテグチ」なのである。(へ~っ!)動物界、すなはち、口のある生物界では、タテグチが圧倒的な主流なのだ。 と書かれているあたりから話は佳境に入る。
動物種の約85%がタテグチだ、と書くと皆様もそんなバカなと驚かれるでしょうが、種明かしは簡単で、昆虫や甲殻類など動物種の85%を擁する最大派閥の節足動物のほとんど全てがタテグチなのだと言われれば、「タテグチ」の構造に「違和感」を感じつつ、ふ~んそんなものか、と納得してしまうでしょう。エビでもセミでも皆タテグチだというのです。今度エビを料理する前にしっかり確認してみよう。セミもタテグチならセミ人間の改造版であるバルタン星人もタテグチのはずだ・・・。しかしここらが人間の想像力の限界で、どう見ても昆虫型宇宙人のエイリアンやプレデター或いはその他の映画に出てくる宇宙生物にタテグチは見当たらない、と著者は嘆く。
一体この記事は何を書こうとしているのかと思うが、タイトル通り「形態の生命誌」であって、7ページに渡ってビッシリと口の形態と生物との関係を書いてきて、「生殖器が種族維持の器官なら、口は固体維持の器官である。そして固体あっての種族なら、まずは口あってこその種族である」と話をまとめていく。うまいなあ。「口は食べる生物としての象徴である。動物のカタチの多様性の一端は、食べるための口のツクリ、食物を捕獲する手や脚のツクリ、そして、摂食行動をとるための諸器官のツクリにあると考えてもよい。」と話を進めて、食べることを考えた口のツクリと、その生き物のカタチは、密接に関連していると説く。ここで私は「異星人は何を食べるためにどんな口をしているのだろうか」とちょっと空想したが、著者は「食べない生物」「口の無い生物」である植物にとって、カタチは何に影響されるのだろうと結んで次号に繋げた。ニクイなあ、こりゃ次号も買わなきゃ。
ところで皆さん、こんどSF映画を見る時は、異星人たちの口に注意してみましょう。
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